今回は、コロコロまんまる「十勝こがね」をたっぷり味わってみましょう。
「十勝こがね」はコロコロと丸い形と芽が浅く薄い皮が特徴で、とても調理しやすいですよ。身は淡黄色で熱が入るとよりいっそう鮮やかに発色し、冷めても変色しにくく、ホクホクとした食感と非常に強い旨味と相まって、これぞジャガイモ!!と思わず叫びたくなる美味しさです。また、非常に日持ちが良くご家庭でも長期間の保存を行いやすいのも嬉しいポイントで、当然、熟成させるとデンプンが甘味にかわっていき・・・春先にはホクホクウマウマのあまーいおイモを楽しめます。
ただし、この美味しい「十勝こがね」は、栽培が難しく一般流通していないのが現状です。当農園では、経験と研究に裏打ちされた確かな技術と、長い年月をかけて土づくりを行ってきた豊かな畑で「十勝こがね」を栽培しています。今回も美味しいレシピをいくつかご紹介しますので、ぜひ当農園の「十勝こがね」を一度食べていただければと思います。
まずご紹介するのは、中藪農園でも定番の「じゃがいもとセロリの蒸し煮」です。この料理は以前もご紹介させていただきましたが、本当にジャガイモの味わいをシンプルに引き出した美味しいレシピです。
セロリの茎を適度な長さに切り揃える(太いものは縦割りに) 鍋にオリーブオイルを入れセロリを炒める セロリがしんなりしてきたら1cm程度の水を入れ塩を振り5分ほど煮込む 皮をむき食べやすい大きさに切ったじゃがいもをセロリの上にのせ塩こしょうを少量振る フタをして焦げ付かないように気をつけながら弱火で20分程度蒸し煮にする 竹串がスッと通れば出来上がり
セロリの香りとオリーブオイルの風味が、ジャガイモの旨味と甘味を引き立ててくれます。セロリを炒める際にニンニクやタマネギも一緒に炒めたり、仕上げにお好みのソースなどを添えても美味しいですね。今回の写真では、塩のかわりにクレイジーソルトを使っています。
つづいてのレシピは「クリーム・マッシュポテト」です。ジャガイモのマッシュと言えばポテトサラダをイメージする方も多いと思いますが、牛乳とチーズをタップリと使ったクリーム・マッシュポテトは、ステーキなどのお肉の付け合わせや、写真のようにカレーやシチューと一緒に頂いてもとても美味しいです。何より料理しながら味見で食べる出来立てマッシュの美味しさといったら・・・たまりません。
ジャガイモを水から茹でお好みの荒さにマッシュする 熱々のうちに牛乳を少しずつ加えながら混ぜる ある程度ゆるくなったら、たっぷりとおろしたパルミジャーノ(粉チーズ)を加えながら混ぜる 仕上げにお好みの固さまで牛乳を加えて完成です
たっぷりの牛乳とたっぷりのチーズを入れたクリーミーなマッシュポテトで、ジャガイモの旨味とチーズの旨味がまろやかに絡み合いとても美味しいですよ。チーズを入れる際にジャガイモが冷めてしまっていると旨く絡み合わないので気をつけてくださいね。牛乳のかわりに生クリームを使うとより濃厚になり、グラタンのベースなどとしてもぴったりです。牛乳とチーズの量のバランスで様々に楽しめる料理ですので、お好みのバランスを探してみてください。毎回違う仕上がりを楽しむのも楽しいものです。
最後に、北海道帯広市「ふく井ホテル レストラン バイプレーン」の長屋シェフに教えていただいた、「ラクレット」を紹介します。これ以上ないくらいシンプルな料理ですが、素材の味を素直に引き出したとても美味しい食べ方です。
ジャガイモを水から茹でる 茹でたジャガイモに溶かしたラクレット(とろけるチーズ)をかける
旨いジャガイモに旨いチーズ。美味しいワインがあれば他になにもいりませんね。ご家庭で料理する際はフライパンでチーズを溶かしジャガイモにかけてください。
つづいてもう1品。「ハッシュブラウンポテト」です。これもとてもシンプルな料理ですが、厚さや焼き加減で様々な味を楽しめます。
ジャガイモの皮を剥き適度な大きさに切り水に入れ灰汁を抜いておく 1 をフードプロセサーで荒く刻む 2 を好みの厚さにして塩・胡椒で味を整えフライパンで焼く フライ返しで押さえながら中火の弱火でジックリ焼く
油多めで生地を薄く焼き上げるとパリパリと香ばしく仕上がり付け合わせなどにぴったり。生地を厚くじっくりと焼き上げるとどっしりホクホクとパンケーキのように楽しむことができます。ソースや生地に具材を混ぜ込んで美味しいオリジナルレシピを作ってください。
「十勝こがね」を味わう。いかがでしたでしょうか。皆さまのご家庭での美味しい食べ方もぜひ教えてくださいね。次は「こがね丸」の美味しい食べ方をご紹介したいと思います。お楽しみに。
記事にも掲載している、中藪さんのジャガイモを使った美味しい料理のレシピを紹介していますので、ぜひご家庭でも味わってみてください。(クリックするとPDFが開きます)
今回は、かわいらしい見かけの「はるか」をたっぷり味わってみましょう。
「はるか」は、皮が白く芽がほんのりピンクに色づいているのが特徴です。芽も浅く皮も薄いのでとても下ごしらえがしやすいです。熱を加えるとしっとり、ねっとりとした食感と煮くずれしにくい特性があります。また、熟成させることによりデンプンが糖にかわり非常に甘味が強くなりますので、調理する季節でさまざまな楽しみ方のできるジャガイモです。
サラダから煮物まで非常に幅広い調理に向いた品種ですが、おいしい食べ方をいくつか紹介したいと思います。
まずは、中藪農園でもよく食べる料理を2つご紹介します。1つめは「ジャガイモのガレット」です。
ジャガイモを細く千切りにする。 フライパンにオリーブオイルをひきニンニクのみじん切りを炒める。 ニンニクの香りが十分に出たら1のジャガイモを入れ塩コショウをして軽く炒める。 お好みの大きさに型を整え軽く押し固めたらチーズをのせフライパンの蓋を閉める。 ジャガイモが焼けチーズがとろけたら完成です。 お好みでコショウなどを振りかけてお食べください。
非常にシンプルな料理ですが、こんがり焼けた香ばしいジャガイモをチーズの旨味が包み込み、ニンニクの風味があとを引き、食べ始めたら止まらない美味しさです。「はるか」の食感と甘味を十二分に活かしたレシピです。ビールやワインとも相性抜群の料理ですよ。
具材に玉ねぎを入れたり、ピザ風にトマトソースをかけたり、ガレットを生地に野菜やお肉をサンドしたりなど、様々なアレンジで楽しんでみてください。
続いて紹介する料理は「ジャガイモのパリパリサラダ」です。このサラダ、なんと生のジャガイモを使います。余り知られていませんが、生のジャガイモはとっても歯ごたえが良くて美味しいんですよ。特に「はるか」は生の食感が良く、パリパリ、サクサクした歯ごたえが楽しめます。
ジャガイモを細く千切りにし、ボウルで流水にサラしてデンプンを抜きます。 水が白く濁らなくなったらザルに取り、水気を良く切ります。 ジャガイモに塩をふり軽く揉み込みます。 ジャガイモをボウルに戻しゴマ油を回しかけ混ぜ込んだら完成です。
え?これだけ?というほど簡単ですが、パリパリした食感とジンワリ広がるジャガイモの旨味がクセになる美味しさですよ。マヨネーズで和えたり、お好みの具材をプラスしたりなど、変幻自在に楽しめます。今晩のおかずにもう1品、といいう時や晩酌のおつまみにぴったりです。
サラしたジャガイモを10秒ほど湯通ししてから調理すると、パリパリの食感が少し穏やかになり甘味が強くなります。どちらも美味しいのでお試しいただければと思います。
最後に、北海道帯広市「ふく井ホテル レストラン バイプレーン」の長屋シェフに考案していただいたレシピをご紹介します。「ドライフルーツ入りダンプリング」という料理で、写真のようにお肉などの付け合わせとしても最適なレシピです。
ジャガイモの皮を剥いて水から茹でマッシュポテトを作る。 マッシュポテトにお好みのドライフルーツと片栗粉を熱いうちに加える。 生地を良く混ぜ込みながら塩とコショウで味を整える。 生地をラップで包み筒状に丸める。 適度な厚みに切り分け、オリーブオイルで焼き上げる。
ちなみに、ジャガイモ1kgに対し片栗粉は100g程度だそうです。作り方としては北海道名物のイモダンゴに近いと思いますが、ドライフルーツの濃厚な甘味とジャガイモのふんわりとした甘味の組み合せがとても豊かな味を生み出していました。お好みでナッツ類を加えたり、干し柿で作っても面白いと思います。簡単な調理ですがとても洗練された味を楽しめると思います。
「はるか」を味わう。いかがでしたでしょうか。皆さまのご家庭での美味しい食べ方もぜひ教えてくださいね。次は「十勝こがね」の美味しい食べ方をご紹介したいと思います。お楽しみに。
記事にも掲載している、中藪さんのジャガイモを使った美味しい料理のレシピを紹介していますので、ぜひご家庭でも味わってみてください。(クリックするとPDFが開きます)