これまでの記事でも「はるか」を味わう。「十勝こがね」を味わう。「こがね丸」を味わう。と、3回に分けて掲載してきました、中藪さんのジャガイモの美味しい食べ方をPDFにまとめました。ご家庭ですぐに試せるシンプルな料理ばかりです。ぜひご家庭でも味わってみてください。(上の画像をクリックするとPDFが開きます)
今回は、フライドポテト用ジャガイモとも言われる「こがね丸」をたっぷり味わってみましょう。
「こがね丸」は少しゴツゴツとした皮で無骨な見かけですが、とても使いやすい品種で、程よくホクホクしつつもしっとり感もあります。ちょうど「はるか」と「十勝こがね」の真ん中にいる感じでしょうか。2つに比べると若干煮くずれしやすいですが、くずれたトロトロのジャガイモが好き!という方も少なくはないはず。肉じゃがなどにはピッタリの食感だと思います。
しかし、「こがね丸」の本領を発揮するのはフライです。後日の料理紹介でも取り上げますが、とにかく油との相性が良く、フライにした時の味と香りは格別です。業務用として用いられることの多い品種ですが、ぜひ皆さまにも味わっていただきたいジャガイモです。
「こがね丸」といえば、まずはフライドポテトです。ジャガイモの味をこれ以上ないくらいストレートに味わえる料理ですよ。
ジャガイモの皮をむきお好みの形に切ります 揚げ鍋やフライパンなどに油をいれます (オリーブオイルで揚げても美味しいですよ) 約170℃でこんがりキツネ色になるまで揚げます 熱々のうちに適量の塩を振りかけよく混ぜたら出来上がり
外サックリ中ホクホク、香ばしさの中にこがね丸の強い甘味がわき上がります。ひと味もふた味も違う、こがね丸のフライドポテトをぜひ楽しんでみてください。
続いての料理はコチラも定番のジャーマンポテトです。ご飯のおかずもさることながら、ビールのおつまみなんかに最高ですよね。
ジャガイモとベーコンをお好みの形に切ります ニンニクをみじん切りにします ニンニクをたっぷりのオリーブオイルで炒めます (ゆっくり焦がさないように低温で炒めてください) ベーコンとジャガイモを加えて炒めます (ジャガイモはレンジで加熱しておくと手早く作れます) 塩コショウで味を整えたら完成です
こがね丸は油との相性がとっても良いので、少し多めにオリーブオイルを入れるのがポイントです。ベーコンの旨味とニンニクの風味がこがね丸との相性がとてもいいです。写真では塩コショウのかわりにクレイジーソルトを使っています。色々な味付けを楽しんでみてくださいね。
最後に、北海道帯広市「ふく井ホテル レストラン バイプレーン」の長屋シェフに教えていただいた、「カレー・ウェッジーズ」を紹介します。イギリスの料理で、ジャガイモを皮ごと乱切りにしたフライドポテトのことです。
ジャガイモを丁寧に洗います ジャガイモを皮ごと乱切りもしくはくし型に切ります 約170℃の油で揚げ塩を振り味を付けます 盛りつけた後にカレー粉をお好みでかけて出来上がり
皮付きなのでより香ばしく、よりジャガイモの風味を強く感じられる料理です。カレー粉などのスパイシーな風味と良く合いますので、サルサソースなど色々な味にチャレンジしてみてください。
記事にも掲載している、中藪さんのジャガイモを使った美味しい料理のレシピを紹介していますので、ぜひご家庭でも味わってみてください。(クリックするとPDFが開きます)
現代農業2月号の「いも品種大全」特集に、当農園で栽培している品種の紹介やオススメの食べ方など、6ページにわたり紹介されています。ぜひ本屋さんなどで覗いてみてください。
現代農業のホームページで記事が掲載されましたので下記リンクからぜひご覧ください。
今年も新しい品種のじゃがいもを試験栽培します。随時紹介して行きますので、気になる方は今後も時々当農園のホームページを見てください。
皆さん納豆は好きですか。私は小粒大豆の納豆が好きです。
私の近所でもユキシズカという小粒納豆大豆を作っています。
先日、納豆の価格はどうなっているかをかを調べてみました。
小粒大豆ユキシズカ(納豆原料)は100粒重13.2g
1パック40gの値段48円(税別)の中には180粒の小粒大豆が使われていました。
180粒ですと約24gになります。今、乾燥大豆の価格、農家手取りで約6000円/60kgです。
これから調整料、検査料が引かれます。この6000円の支払いもあしかけ3年かかります。
1表6000円の大豆、納豆1パック24gの値段2.4円、大豆は種をまいて収穫まで140日かかります。
納豆パック1個の5%が農家の手取りです。あとの95%45.6円はどこに行っているのでしょう。
納豆を食べながらちょっと考えてください
今回は、コロコロまんまる「十勝こがね」をたっぷり味わってみましょう。
「十勝こがね」はコロコロと丸い形と芽が浅く薄い皮が特徴で、とても調理しやすいですよ。身は淡黄色で熱が入るとよりいっそう鮮やかに発色し、冷めても変色しにくく、ホクホクとした食感と非常に強い旨味と相まって、これぞジャガイモ!!と思わず叫びたくなる美味しさです。また、非常に日持ちが良くご家庭でも長期間の保存を行いやすいのも嬉しいポイントで、当然、熟成させるとデンプンが甘味にかわっていき・・・春先にはホクホクウマウマのあまーいおイモを楽しめます。
ただし、この美味しい「十勝こがね」は、栽培が難しく一般流通していないのが現状です。当農園では、経験と研究に裏打ちされた確かな技術と、長い年月をかけて土づくりを行ってきた豊かな畑で「十勝こがね」を栽培しています。今回も美味しいレシピをいくつかご紹介しますので、ぜひ当農園の「十勝こがね」を一度食べていただければと思います。
まずご紹介するのは、中藪農園でも定番の「じゃがいもとセロリの蒸し煮」です。この料理は以前もご紹介させていただきましたが、本当にジャガイモの味わいをシンプルに引き出した美味しいレシピです。
セロリの茎を適度な長さに切り揃える(太いものは縦割りに) 鍋にオリーブオイルを入れセロリを炒める セロリがしんなりしてきたら1cm程度の水を入れ塩を振り5分ほど煮込む 皮をむき食べやすい大きさに切ったじゃがいもをセロリの上にのせ塩こしょうを少量振る フタをして焦げ付かないように気をつけながら弱火で20分程度蒸し煮にする 竹串がスッと通れば出来上がり
セロリの香りとオリーブオイルの風味が、ジャガイモの旨味と甘味を引き立ててくれます。セロリを炒める際にニンニクやタマネギも一緒に炒めたり、仕上げにお好みのソースなどを添えても美味しいですね。今回の写真では、塩のかわりにクレイジーソルトを使っています。
つづいてのレシピは「クリーム・マッシュポテト」です。ジャガイモのマッシュと言えばポテトサラダをイメージする方も多いと思いますが、牛乳とチーズをタップリと使ったクリーム・マッシュポテトは、ステーキなどのお肉の付け合わせや、写真のようにカレーやシチューと一緒に頂いてもとても美味しいです。何より料理しながら味見で食べる出来立てマッシュの美味しさといったら・・・たまりません。
ジャガイモを水から茹でお好みの荒さにマッシュする 熱々のうちに牛乳を少しずつ加えながら混ぜる ある程度ゆるくなったら、たっぷりとおろしたパルミジャーノ(粉チーズ)を加えながら混ぜる 仕上げにお好みの固さまで牛乳を加えて完成です
たっぷりの牛乳とたっぷりのチーズを入れたクリーミーなマッシュポテトで、ジャガイモの旨味とチーズの旨味がまろやかに絡み合いとても美味しいですよ。チーズを入れる際にジャガイモが冷めてしまっていると旨く絡み合わないので気をつけてくださいね。牛乳のかわりに生クリームを使うとより濃厚になり、グラタンのベースなどとしてもぴったりです。牛乳とチーズの量のバランスで様々に楽しめる料理ですので、お好みのバランスを探してみてください。毎回違う仕上がりを楽しむのも楽しいものです。
最後に、北海道帯広市「ふく井ホテル レストラン バイプレーン」の長屋シェフに教えていただいた、「ラクレット」を紹介します。これ以上ないくらいシンプルな料理ですが、素材の味を素直に引き出したとても美味しい食べ方です。
ジャガイモを水から茹でる 茹でたジャガイモに溶かしたラクレット(とろけるチーズ)をかける
旨いジャガイモに旨いチーズ。美味しいワインがあれば他になにもいりませんね。ご家庭で料理する際はフライパンでチーズを溶かしジャガイモにかけてください。
つづいてもう1品。「ハッシュブラウンポテト」です。これもとてもシンプルな料理ですが、厚さや焼き加減で様々な味を楽しめます。
ジャガイモの皮を剥き適度な大きさに切り水に入れ灰汁を抜いておく 1 をフードプロセサーで荒く刻む 2 を好みの厚さにして塩・胡椒で味を整えフライパンで焼く フライ返しで押さえながら中火の弱火でジックリ焼く
油多めで生地を薄く焼き上げるとパリパリと香ばしく仕上がり付け合わせなどにぴったり。生地を厚くじっくりと焼き上げるとどっしりホクホクとパンケーキのように楽しむことができます。ソースや生地に具材を混ぜ込んで美味しいオリジナルレシピを作ってください。
「十勝こがね」を味わう。いかがでしたでしょうか。皆さまのご家庭での美味しい食べ方もぜひ教えてくださいね。次は「こがね丸」の美味しい食べ方をご紹介したいと思います。お楽しみに。
記事にも掲載している、中藪さんのジャガイモを使った美味しい料理のレシピを紹介していますので、ぜひご家庭でも味わってみてください。(クリックするとPDFが開きます)